中間的就労支援とは

中間的就労支援とは

「中間的就労の場」について

一般的な就労にどうしてもなじめない人や、障がいを持つ人たちの福祉的就労の対象者でもない人たちが、私たちの社会には大勢います。それら一般的就労と福祉的就労のはざまで、働く意欲があるのになかなか就労できない人たちが働く場を、「中間的就労の場」と呼んでいます。その場の中で、社会的経験を積んだシニア層がコーディネーターの役割を担うのが、私たちの「中間的就労の場」です。

「中間的就労の場」づくりに向けて

先年、生活困窮者自立支援法が制定され、その中で中間的就労(社会的就労)が位置付けられていますが、民間企業の自主性に期待される面が大きいため、「中間的就労の場」づくりは当初から困難が想定されていました。そこで、私たちNPOや労働団体の有志が集い、様々な困難を持つ人とそうでない人が共に支え合い、働き続けることのできる場としての「中間的就労の場」をつくりたいと考え、試行錯誤を始めています。

「アクティブシニア」について

定年等でリタイアしたあと、就労やボランティアなどの社会参加に意欲がある60歳以上の方々を、このサイトでは「アクティブシニア」と呼ぶことにします。

アクティブシニアの就労をサポート

私たちのNPO法人では、2017年度から3年間「北海道アクティブシニア就労・社会参加応援事業」(北海道労働局発注、社会福祉法人北海道社会福祉協議会受託)のうち、旭川市・室蘭市・帯広市・紋別市にアクティブシニアサポートセンターの設置・企画運営・管理を再受託し、次の事業を行いました。

①高齢者の就労希望を聞き取り受付・登録する。
②企業訪問を行い、高齢者に対応した仕事の切り出し(業務の細分化)を行い、受け入れ企業を登録する。
③上記の高齢者と企業を対象に、無給のお仕事体験を実施し就労につなげる。
④2019年12月末の実績(4地域合計)
 高齢者登録数 562人、登録企業数 278社、就職者数 243人

アクティブシニアの就労をめぐる現状

この事業で実施したアンケート調査から、就労希望の特性を次のように把握しました。

①健康第一で、少しでも不安があれば就労しない。
②年金が主たる収入の場合、従たる収入希望は5万円前後が多数を占めた。
③収入も必要だが、社会に役立っている実感を求めている。
④若年者に比して、体力の個人差が大きいため、配慮が必要である。

一方、希望月収5万円程度の場合の就労形態は1週2~3日、1日4時間前後とやや変則的で、体力面に不安を持つ高齢者は、ハローワークで就労先を探すのは難しい現状です。

アクティブシニアと就職困難者の協働

高齢者+生活困窮者、高齢者+障がい者のユニットで、札幌市内の空家整理事業を3件実施しました。(ユニット構成は高齢者4+困難者6)

この経験では、次のようなことが確認できました。

①高齢者と困窮者や障がい者との協働作業はスムーズに実施できた。
②高齢者のコミュニケーション能力は高く、空家整理に限らず、作業ユニットとしての汎用性がある。

高齢者と困難者の就労を同時に促進

これらの経験と実績を踏まえながら、このたびのWAM助成事業でアクティブシニアの組織化を進め、一定数の高齢者が集まることで作業参加への柔軟性を確保し、企業側や施設側から4時間前後の仕事を切り出すことで委託作業化が実現できれば、高齢者や困難者の就労も同時に促進できるものと期待しています。

中間的就労支援の実績

札幌市内の小学校での消毒作業

アクティブシニア+就労困難者のチームで、札幌市内小学校3校でコロナ禍に伴う校内消毒作業を委託事業として実施しました。

アクティブシニアと就労困難者の協働作業は、とても和やかに楽しみながら実施されています。(継続中)

アクティブシニアと就労困難者の協働作業

この作業に参加した方々と就労状況は次のようなものです。

参加した方々からは、以下のような声が聞かれました。

・やりがいがあり非常に満足(アクティブシニア/男性 63歳)
・週1回楽しみにしている(アクティブシニア/女性 81歳)
・町内会活動の延長で参加(アクティブシニア/女性 68歳)
・仕事があれば続けたい(就労困難者/男性 46歳)
・週3回ですが毎日でもよい(就労困難者/男性 48歳)
・週2回、満足している(就労困難者/男性 54歳)
〈発寒南小学校〉
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〈富丘小学校〉
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〈山の手小学校〉
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